リビアからヨーロッパを目指し、命がけで地中海を渡る難民(移民)のニュースをご覧に
なったことがあろうかと思います。貧弱な木造船の転覆事故が絶えず、彼等ボートピープルを
救助する海難救助船で働く唯一の日本人が小島毬奈(こじままりな)さんです。
小島さんは「国境なき医師団」の助産師のメンバーとして、世界中の貧困地域で、劣悪な環境で
出産する妊婦や幼児を助けてきました。彼女は現在、救助船に乗り込み、海から救い上げた難民の
保護と健康回復、そして性暴力の被害を受けた女性の心のケアに尽力しています。
さて、救助船が無事に港に着いても、終わりではありません。難民の受け入れには各国慎重で、
彼らは船の上で数週間も待たされることになります。そこで、小島さんはお父様(小島宣明さん
=数独協会会員)に勧められた数独を彼らに渡してみたところ、何と夢中になって解きだし、
難しい問題にもチャレンジしたそうです。
私は人間の持つ「遊び心」に感動します。こんな状況でも、人は遊ぶことができます。
もちろん、難民にとって数独より必要なものは山ほどあります。しかし、数独が彼らの無聊を
慰めることが、少しでもできたのなら、それは良かった、本当に良かったと思います。