8月10日、恒例の「数独の夕べ」が毎日メディアカフェで開かれました。
今回はまず、数独協会の後藤好文理事が「0の発見」について話しました。数独では使わない数字です。
「0」は7世紀にインドで発見されたと言われていますが、0が発見される前の、ヨーロッパや、中国での表記や計算の方法を説明したあと、0の概念が何故インドで生まれたかを後藤さんは問題提示しました。
当時文明の進んでいたローマや中国では、「社会の中で人はどう振舞うべきか」ということが重要であったのに対し、インド人の関心は「生命や宇宙の根源とは何か」ということであった。そこから数が実生活を離れ更に抽象化していき、ついにShunya(虚空)=ゼロという数字が誕生したのではないか、という自説を紹介しました。「学生時代、インド哲学が専攻だったもので」と後藤さんは話しました。
やがて、数字としての0は中東に伝わりますが、十字軍遠征の時代であったため、アラビアの魔法として0は遠ざけられ、ヨーロッパに普及したのは15世紀末でした。そこから一気に近代数学の花が開いていったのでした。
続いて、岡本修身理事が8月10日発売の「数独通信Vol.33」の表紙の「SUDOKU ART」について話しました。
今回のテーマは「世界中に広まった数独を探しに旅に出よう」というもので、昔懐かしい皮の旅行カバンに貼られたステッカーで数独の盤面を表現しました。皮ひもやカバンの傷がさりげなく枠線を表しています。
さらに、岡本理事は新しい数独の楽しみ方である「対戦数独」を紹介しました。2人で楽しむ数独、つまり一つの問題を解き手と解き手が1対1で解く対戦型数独があったなら、数独の楽しみ方が増えます。岡本さんは自身が新たに考案した対戦型数独を紹介しました。
ヒントにしたのは将棋です。「一つの問題を1対1で解いて、勝ち負けが決まるようにしたい」と考えたそうです。
対局者はそれぞれ手持ちの何も書かれていない白いカードを5枚持っています。問題盤面にも白紙のカードを9枚ランダムに置きます。白紙のカードをどれだけ取るかというのが基本ルールです。
対局者は持ち時間1分で盤面に数字の書かれたカードをおきます。白紙のカードが置かれた位置に数字を置くことができれば、白紙のカードを手元に回収できます。1分経つと、相手と交代です。1分間にひとつも数字のカードが置けなければ、自分の手持ちから白紙のカードをペナルティとして盤面に置きます。
こうして、盤面を数字のカードで埋めながら、白紙のカードを取り合うわけですが、どうやって相手より多くの白紙の
カードを集めるかという戦略がこのゲームの面白さとなります。「今後、様々な工夫をしてルールを洗練させたい。」
と岡本さんは話しました。
次は恒例の数独ゲーム大会をしました。まずは、5分間を自分で測りながら数独問題を解く「体感数独」。
5分間たったと思った人は手を挙げます。時間の正確さと、問題を解けたコマの数の両方で得点が決まります。
次に団体戦です。参加者が2チームに分かれ、リレー競争をしました。1人1分の持ち時間で解けるだけ解き、1分過ぎたら次の人とタッチして交代します。先に解き終わったチームが勝ちです。
個人戦、団体戦を通じて高得点だった参加者に、数独Tシャツ、数独本がプレゼントされました。
最後に協会より二つの報告をしました。
一つは、数独技能認定試験です。9月9日に全国で初めての認定試験を大槌町で開催することを発表しました。
もう一つは数独協会の活動に賛同をしてくださる会員の募集を開始したというニュースです。
どちらも、詳細は協会のホームページにありますので、ご覧ください。
数独技能認定試験
http://sudokujapan.com/examination/
数独協会会員
http://sudokujapan.com/membership/
次回の「数独の夕べ」はは9月14日(木)18:30~20:00です。